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遺言書の種類・作成方法

■遺言書とは何か
遺言書とは、自分が亡くなった後に、遺産について、誰が誰にどのように分けるのかをあらかじめ示しておくものです。本来であれば、人の死後には相続が発生し、相続人同士が話し合ったりして遺産を分け合うことになります。
しかし、生前に遺言書を作成しておけば、遺言書の内容どおり、つまり、自分の残した意思表示通りに財産が分けられることになります。先ほども述べた通り、遺言書がなければ、相続人同士で遺産分割協議という話し合いを行い、遺産分割方法を合意しなければならなくなります。残された相続人の負担を減らすといった、遺言書を作成することによるメリットは大きいといえるでしょう。

 

しかし、正しい遺言書を作成するには、その形式や内容に注意を払って行う必要があります。作成にあたって従うべきルールを守らないと、せっかく作成しても遺言書自体が無効となってしまいます。そのため、ここでは遺言書の種類を確認するとともに、作成方法や作成時に注意するべき点について確認していきます。

 

●遺言書の種類
遺言書には、主に3つの種類があります。それぞれ、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言と呼ばれています。それぞれいかなる特徴を持つのか、簡単に確認していきます。

 

①自筆証書遺言
遺言書と聞いて普通思い浮かべるのが、自筆証書遺言ではないでしょうか。遺言書を残す人が、遺言書の内容を文章化し、自分で書くことで作成します。もっとも単純で、かつ簡単に遺言書を作成することができる方法です。しかし、法律で定める遺言書の条件違反があって無効となってしまうケースや、簡単に作成できる都合上、偽造もされやすいと言われています。そのため、本当に故人が書いたものであることを証明する意味で、家庭裁判所に遺言書を検認してもらうことが必要です。なお、令和2年7月10日から、法務局で自筆証書遺言を保管してくれる制度がスタートしました。

 

②公正証書遺言
公正証書遺言とは、公証人に遺言書作成を依頼し、代わりに遺言書を作成してもらうという方法です。遺言書の案を持って、2人以上の証人とともに公証役場に行きます。そして、その証人の立会いの下で、公証人に遺言内容を伝えます。公証人は、精査しつつ、伝えられた遺言内容に従って遺言書を作成していきます。公正証書遺言は、手続きが煩雑となるデメリットはありますが、公証人による公正証書という性格を持つため、ほとんど確実に有効な遺言書を残すことができます。

 

③秘密証書遺言
秘密という言葉通り、遺言書の内容を公開しないまま残す方法です。遺言者が自分で遺言書を作成し、立ち会ってもらう2人以上の証人とともにそれを公証役場に持っていきます。公証人に中身を見てもらうことはありませんが、その遺言書の存在を証明してもらうことになります。中身の精査ができないため、家庭裁判所の検認が必要となります。遺言の内容を知られたくない場合に、有用な方法といえますが、遺言書の内容確認ができず遺言が無効となる場合もあり、実際に利用される例は少ないとされています。

 

●遺言書の作成方法
ここでは自筆証書遺言について、作成方法を確認していきます。
自筆という言葉から分かる通り、自分自身の手で作成する必要があります。遺言書の内容をなす文章や署名等、すべて自書で作成します。また、注意すべき点としては、日付を「吉日」のようにせず、遺言書を作成した日付を特定できるよう、具体的な日付を自筆しなければなりません。

 

作成の手順としては、まず自分の財産について正確に過不足なく把握することが大切となります。財産を把握することができ、その詳細を示すことのできる資料を収集してください。それによって、財産の全体を把握することができたら、その財産を誰にどれくらい相続させるのかについて、具体的に検討していくことになります。もちろん、自分自身の意思も大切ですが、相続人の公平も加味することで、のちのトラブルを防ぐことにつながります。書く内容が決まれば、上記のようなルールに従って、自筆で作成していくことになります。
なお、平成31年1月13日からは、法改正により財産目録は自書しなくてもよくなりましたが、自書によらない財産目録を添付するときには、財産目録の各ページに署名捺印する必要があります。
文書の最後に署名と捺印をする必要があります。

 

遺言書は残された家族の生活に大きな影響を与えるものであり、遺産をめぐってトラブルを招くような事態はできる限り避けたいものです。
遺言書の作成について、ご不明な点やお困りのことがございましたら、弁護士亀子伸一までお気軽にご相談ください。

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